クロスカントリースキーヤー

冬になると、遠くオーストラリアから、一人のリピーターがやってきます。
2023年から数えて、今年で4年連続。しかも彼は、自分のクロスカントリースキーを飛行機に積んで持参します。

彼が最初にこの地を訪れたのは、今から8年前。
そのときは、すでに亡くなられた奥様との思い出の旅の途中でした。数ある場所のひとつとして、美留和に立ち寄ったのが始まりです。

けれども不思議なもので、年月を重ねるうちに、この場所は「通過点」ではなくなりました。
今では、「ここでクロスカントリースキーをすること」そのものが、旅の目的だと言ってくれます。

今年の冬は、ほかのゲストも含めて4人で、美留和の森を滑走しました。
静かな森の中を、雪を踏みしめる音だけを感じながら進む時間は、どこか特別です。

彼は滞在するたびに、他のゲストにクロスカントリースキーの魅力を語ります。
そして必ずこう言うのです。
「来年、一緒にやらないか?」

今年も、その話に興味を持った方が何人もいらっしゃいました。
もしかすると近い将来、「すばるクロスカントリースキー倶楽部」が本当にできてしまうかもしれません。

クロスカントリースキーは、ノルディック発祥のスキーです。
ノルウェーの話を聞いたことがあります。隣の家まで数キロ離れているような村では、このスキーが日常の移動手段として活躍しているそうです。

中には、ひと冬で300kmも滑るお婆さんがいる、という話もあるくらいです。

一見すると大変そうに思えますが、実際はその逆です。
スノーシューは一歩一歩に負荷がかかりますが、クロスカントリースキーはコツをつかめば、驚くほど省エネルギーで長距離を移動できます。

私自身も、近くの小学校で4年ほどこのスキーを教えていたことがあります。
道東には、ゲレンデスキーのような高い山は多くありませんが、その代わりに、こうしたスキーを楽しめるフィールドは無数に広がっています。

この道具があれば、冬でもゆっくりと自然の中を歩いていくことができる。
それは単なるスポーツではなく、もっと穏やかな「冬の過ごし方」なのではないかと思うのです。

いつかこの地で、クロスカントリースキーが特別なものではなく、当たり前の冬の文化として根づいていく。
そんな風景を、少しだけ思い描きながら——今日もまた、森に一本のシュプールが刻まれていきます。

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