
ある朝、お客様が宿の窓に目を向けると、一匹の美しいオオミズアオがぴったりと張り付いていました。
「まるで『中に入りたい』と言っているようでした。」
そう感じられたお客様は、その姿を写真に収められたそうです。
理由は、小学4年生のお孫さんに「この虫の名前を調べてもらおう」と思ったから。
ところが、その写真をオーストラリア・メルボルンに住むお孫さんへ送ったところ、今年メルボルン大学で生物学を学び始めたお孫さんが、ひと目見るなり、
「Lunar Mothだあ!」
と答えたそうです。
一方で、日本では図鑑を片手に、何でも自分で調べるのが大好きな小学4年生の双子のお孫さんたちが、その写真を見てどんな答えを導き出してくれるのか──。
そんな様子を想像すると、こちらまで温かい気持ちになります。
宿の周りでは、何気ない自然との出会いが、時には家族の会話を生み、世代を越え、そして海を越えていきます。
オオミズアオも、そんな素敵な役目を果たしてくれた一匹だったのかもしれません。
きっと、あの日は窓の外から「こんにちは」と声を掛けに来てくれたのでしょうね。
